「もう読んだ!?大反響!!!…特別に珈琲からの手紙を公開」
和音に、ちょっと変わった商品が生まれました。
手紙の形をした、短編小説です。
珈琲、陶器、そして和音そのもの。それぞれが「語り手」となって、あなたに届けます。読みながら情景が浮かんでくる、そんな不思議な体験を、ぜひ。
おひとつ250円。現在は3種類。これからも、少しずつ増えていく予定です。
今回は特別に、そのうちの一篇「珈琲からの手紙」を、こちらで公開いたします。
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珈琲からの手紙
拝啓
この手紙が届く頃、あなたの部屋にはまだ私の香りが残っているでしょうか。
私は栃木の小さな珈琲店で生まれました。といっても、栃木で珈琲の実がなるわけではありません。本当の故郷はもっと遠く、赤道に近い山の斜面です。けれど、私という珈琲豆に「和音」という名前をくれたのは、間違いなくこの土地の人たちでした。
豆として収穫されたとき、私はまだ自分が何になるのか分かっていませんでした。生のままでは硬く、青臭く、誰の心も動かせない。そんな私を変えたのは、火でした。
焙煎という時間を、私はよく覚えています。じりじりと熱せられながら、自分の中の水分が抜けていく感覚。表面が少しずつ色を変え、爆ぜるような音を立てる瞬間――それは痛みのようでもあり、生まれ変わりのようでもありました。あおぞらのなかに立つ職人は私の音を聞き分けていました。一度目の爆ぜる音、二度目の爆ぜる音。その間のほんの数十秒で、私がどんな味になるかが決まってしまう。
「もう少し」「ここで止める」
そんな小さな判断の積み重ねが、結局は一杯の珈琲の個性をつくるのだと、私は焙煎機の中で知りました。
焼かれた後、私は粉になりました。砕かれることを恐れていたわけではありません。むしろ、それは私が誰かに届くための準備だったのです。豆のままでは、誰の中にも入っていけない。細かく砕かれて、初めて私はお湯と出会い、香りを解放することができる。
そうして私は、あなたのカップの中に注がれました。
湯気が立つとき、私は少しだけ誇らしい気持ちになります。一粒の豆だった頃には想像もしなかった香りが、部屋いっぱいに広がっていく。それは私だけの力ではありません。育ててくれた農園の人、焙煎してくれた職人、そして今、私を飲もうとしてくれているあなた――その全員がいて、初めて立つ香りです。
私はあなたに、特別なことを伝えたいわけではありません。
ただ、こう思うのです。今日という日も、人生という長い時間の中の、ほんの一さじの粉に過ぎないかもしれません。けれど、その一さじが正しく蒸らされ、丁寧に注がれたとき、思いがけず深い味わいになることがあります。
――続きは、手紙の中で。
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この先、珈琲は何を語るのでしょうか。
答えは封筒の中にあります。和音でお待ちしています。
続きは店舗にてお買い求めください
珈琲からの手紙 / 陶器からの手紙 / 和音からの手紙 全3種
各250円(税込) お待ちしております


